税理士法人ミチ・ツナグの代表税理士。
行政書士の資格も持っている。
最近入社したばかりの新人。
相続のことは勉強中。
ある日の税理士法人ミチ・ツナグ オフィス
田丸さん、仕事には慣れてきた？
あ、佐々木先生！
おかげ様で、なんとかやれています！
ただ、相続についての業務はまだ難しくて…
正直、何から手をつければいいのかさっぱりなんです。
佐々木先生、相続について教えていただけないでしょうか？
ああ、相続ね。まずは基本から行こうか。
相続っていうのは、誰かが亡くなったときにその人の財産や権利、借金なんかを残された人が引き継ぐことを言うんだ。
え、借金も引き継ぐんですか？それはちょっと嫌ですね…
そうなんだよ。
だから相続は慎重に進めないとね。
例えば、アニメ『サザエさん』の家族を例にすると、
波平さんが亡くなった場合、彼の財産も借金も全部サザエさんたちが引き継ぐんだ。
波平さんに借金があるかは分かりませんが、それならサザエさん達は大変ですね
そうそう、アニメの登場人物ではあるけど、実際に相続ってそういうことなんだよ。
で、相続人は基本的に誰になると思う？
『相続人』って、亡くなった人…今回なら 波平さん の財産や借金を引き継ぐ人のことですよね？
うーん、そういうのって子供たちが継ぐイメージがありますし、
サザエさん、マスオさん、カツオくんにワカメちゃん、それにタラちゃんとかでしょうか？
惜しい！
実はマスオさんとタラちゃんは相続人にはならないんだ。
え？なんでですか？
まず、相続人になるのは『血のつながり』がある人が基本なんだ。
マスオさんはサザエさんの夫で、磯野家と戸籍上の繋がりはあるけど、波平さんとは血縁がないから相続人にはならない。
タラちゃんは確かにサザエさんの子供だけど、波平さんにとっては『孫』でしょ？
孫は基本的に相続人にはならないんだ。
つまり、波平さんの子供たち、サザエさん、カツオくん、ワカメちゃん、そして波平さんの妻であるフネさんが相続人になるんだよ。
なるほど、血縁関係がポイントなんですね！
でも…波平さんとマスオさんは結構仲が良いですし、タラちゃんのことも可愛がっていますよね。
相続人に該当しないからといって遺産を渡せないのは少し気の毒ですね…
波平さんが相続人以外の人に遺産を相続させたい場合は、遺言書というものを作っておけばマスオさんやタラちゃんへも遺産を渡すことができるよ。
ややこしくなるから、詳しくはまた別の機会に教えるね。
では次に、相続の分け方を話そうか。
法律では、まず配偶者であるフネさんが遺産の半分を相続する。
残りの半分を子供たちで均等に分けるようになるんだ。
ということは、フネさんが全体の２分の１、サザエさんたちがそれぞれ６分の１ずつ相続することになるんですね
そうだよ！計算早いね、田丸さん。
じゃあ次は、相続の手続きについて話そう。
まず最初にやるべきことは、被相続人(亡くなった人)の戸籍謄本を集めることだね。
戸籍謄本ですか？なんでそれが必要なんですか？
いい質問だね。戸籍謄本は、相続人を確定するために必要なんだ。
波平さんが生まれてから亡くなるまでの全ての戸籍謄本を揃えることで、
相続人が誰かを正式に確認できるんだよ。
例えば、隠れた相続人がいないかどうかをチェックできるし、家庭内のもめごとを防ぐためにも大事だ。
なるほど、それがなければ相続人が確定できないんですね。
例えば、波平さんに前妻やその人との子供なんかがいたら、その子供も相続人になるもんなぁ。
もし波平さんがフネさん達にちゃんと話してなかったとしたら、それがきっかけで磯野家は修羅場になるかも…
そして、戸籍謄本を持って金融機関や役所に行くんだ。
遺産分割協議書も作成して、相続人全員がサインをして手続きを進めるんだよ。
手続きが結構大変そうですね。
相続税も払わなきゃいけないんですよね？
そうだよ。相続税は遺産の総額が一定の控除額を超えると課税される。
だから、早めに準備しておかないと痛い目を見るよ。
特に、不動産（土地や建物）なんかの現金化しにくい資産が多い場合、どうやって相続税を支払うかが課題になることがあるからね。
うーん…相続って思った以上に大変なんですね。
でも、佐々木先生のおかげで少し理解できました！
その調子だよ。
相続は一度に全部理解するのは難しいけど、少しずつ覚えていけば大丈夫だ。
何か分からないことがあれば、いつでも聞いてね！
ありがとうございます、佐々木先生！
これからもしっかり頑張ります！
